ブリットポップに恋して

英国を英国の文化全てを愛するブログです。

This Is a Low

blurの大ヒットアルバム「PARK LIFE」の一番最後の曲のタイトルです。

地名がやたらと出てきて、津軽海峡冬景色みたいですけど(笑)いや、ピスキー湾から一気にテムズ川ほとりまで連れてってくれる下りは本当に上野発の夜行列車降りて青森駅に辿り着くあの感じで、しかも行ったことないブラックプールにもランズエンドにも行った気にさせてくれる旅情感は素晴らしくて。私は個人的にこの曲に対する思い入れが強くて。一つはイギリス南東部で育ったデーモンらしい歌詞とやはり若い頃に南東部で過ごした私のイメージが重なるから。この曲を聴いていると、ビスキー湾から西に進んでずっと続く美しいホワイトクリフを空から眺めてる気分になります。

初めて聞いたとき、何て美しい曲だろうと思いました。大ヒットしたGiris&BoysやPARK LIFEとは全くテイストの異なる静かな聞き入ってしまう曲です。

And the radio says

This is a low
But it won't hurt you
When you're alone
It will be there with you
Finding ways to stay solo

私はこれを低気圧はあなたの孤独の邪魔をしない、と言っているように解釈しました。

当時下宿の自室で本当によく手紙を書いていました。その時間は誰にも邪魔されなくて、送り先の友だち、家族、知人…に思いを馳せながら孤独だけど幸せな時間でした。私は自室で机に向かっている時、低気圧に守ってもらえているような気さえしました。

そして、この一曲でデーモンやグレアムの事を信用できると確信しました。だから彼らのアルバムがどんなにスタイルを変幻自在に変えようとも、ソロになったり他のユニットを組もうとも、彼らが作った曲だからと腹を据えて聴き続けるようになりました。

彼らは私の事なんか勿論知らないけど、私が持つ彼らの音楽に対する信頼は以来揺らがなくなりました。

イギリスにあまり馴染みのない人からしたらなんて事ない曲かもしれませんけど、再結成後のツアーでも終盤でこの曲は必ずセットリストに入ってました。恐らく、彼らにとっても大切な曲なんじゃないかと思います。そうだったらいいな。

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